病気と健康の話

【新型コロナ】今年は子どもがターゲットに?「2026 年 夏のコロナ: 蝉(セミ)型」 世界 33 か国で拡大中の BA.3.2 とは

昨年 11 月にご紹介したセミ型の新型コロナが上陸しました。これから日本の「夏の波」になると思われます。

当クリニックでは、2025 年 11 月のコラムで、オミクロン系統の新しい変異株「BA.3.2(セミ 株)」が南アフリカで検出され、今後の感染動向に注意が必要であることをいち早くお伝えしました。その後、この変異株は欧州・北米・アジアへと拡大し、2026 年 4 月現在、世界 33 か国以上・米国 31 州以上の下水サンプルから検出されています(TODAY/NBC, 2026)。そして日本でもついに上陸が確認されました。

この変異株が特に懸念される理由は、「子どもへの感染しやすさ」という、これまでのコロナとは異なる性質を持つ点にあります。本記事では最新のエビデンスを整理し、お子さまをお持ちのご家族に知っていただきたい情報をわかりやすく解説します。

① 「セミ型」コロナ(BA.3.2)とは何か? その正体と由来

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、2021 年末にオミクロン株が世界を席巻して以来、次々と変異を繰り返してきました。オミクロン株には遺伝的に 5 つの主要な系統(BA.1〜BA.5)があり、そのほとんどが世界的な感染拡大の波を引き起こしてきました。しかしながら、「BA.3」という系統だけは 2022 年に初めて検出されたのち、長い間ほとんど姿を現しませんでした。まるで地中に潜るセミのように、静かに「沈黙」を続けていたのです。

カナダ・グルフ大学の進化生物学者 T. Ryan Gregory 博士らの研究グループによれば、BA.3 は約 2年間、免疫機能が十分でない単一の患者の体内で慢性感染を続けていたと考えられています。このような慢性感染状態では、ウイルスが免疫システムとの長期的な「戦い」を繰り返し、その過程で大量の変異を積み重ねていきます。そして 2024 年 11 月、南アフリカで採取された 5 歳男児の鼻咽頭ぬぐい液から、まったく新しい形に変わった BA.3 の子孫株「BA.3.2」が発見されました(CDC, MMWR, 2026)。

BA.3.2 は、元の株である BA.3 と比べてスパイクタンパク質に 53 か所もの変異を持ち、2019 年の初代コロナウイルスと比べると実に 70 か所以上の変異があります(CNN, 2026)。これほどの変異数は過去の変異株と比べても際立っており、過去の感染やワクチン接種で作られた抗体を「かわしやすい」性質があります。一方で、細胞への侵入口となる ACE-2 受容体への結合力がやや低下しているため、他の強力な変異株ほどの急激な世界的拡散には至っていません。

WHO 分類:BA.3.2 は現在、WHO により「監視下変異株(Variant Under Monitoring: VUM)」に指定されています。「懸念される変異株(VOC)」や「注目すべき変異株(VOI)」には分類されておらず、最も低い監視区分です(WHO, 2025)。

② なぜ「セミ(Cicada)」と呼ばれるのか? 不思議な消滅と復活

「セミ(Cicada)」という愛称は、日本にも生息するセミという昆虫の特徴的な生態にちなんでいます。北米に生息する素数ゼミ(Periodical Cicada)は、地中で 13 年〜17 年もの長期間を幼虫として過ごし、決まった年に一斉に地上へ姿を現します。BA.3.2 も同じように、長期間「地中」に潜伏した後に突然再浮上した変異株として、この名前がぴったりと当てはまりました。

ウイルス研究者の T. Ryan Gregory 博士らのグループは、これまでも変異株にギリシャ神話の生き物(ケルベロス、クラーケン)、星座(エリス)、雲の種類(ストラタス、ニンバス)などの愛称を付けてきました。BA.3.2 は 2024 年 12 月に WHO が「監視下変異株」に指定した際、Gregory博士らが「セミ(Cicada)」という愛称を採用しました(CNN, 2026)。なお、「セミ」は研究者コミュニティの通称であり、WHO・CDC の公式名称ではありません。

BA.3.2 は 2024 年 11 月に南アフリカで最初に発見された後、2025 年 6 月には米国でオランダからの帰国旅行者の検体から初めて確認されました。2025 年秋にはドイツ・デンマーク・オランダで急増し、一時はこれらの国の新規コロナ感染者の約 30%を占めるほどになりました(CDC, MMWR, 2026)。2026 年 4 月現在では世界 33 か国以上・米国 31 州以上、そして日本でも検出が確認されています。EMJ の報告では「米国に帰国した旅行者の中に日本からの帰国者も含まれている」とされており(EMJ, 2026)、日本国内でのゲノム監視データでも検出が確認されています(ba32.org, 2026)。

③ 子どもが 5 倍も感染しやすい! スペインのデータ

これまでの新型コロナウイルスは、高齢者や基礎疾患を持つ成人に重篤な影響を与えることが一般的でした。ところが BA.3.2 では、その様相が大きく異なります。下のグラフをご覧ください。これはスペイン北部のアストゥリアス州で 2026 年 2〜4 月にかけて行われたゲノム解析の結果 で、BA.3(BA.3.2 を含む BA.3 系統)に感染した患者のうち、18 歳以下の子どもが約 83%を占める一方で、65 歳以上の高齢者はわずか約 10%でした。一方で、非 BA.3 系統では逆の傾向(高齢者が約 80%)が示されており、BA.3が子どもに著しく集中することを明確に示しています。

図:スペイン・アストゥリアス州(2026 年 2〜4 月)における変異株別の年齢分布。BA.3*系統は 18 歳以下(青)が 83%を占め、65 歳以上(橙)はわずか 10%。非 BA.3 系統では逆の傾向(高齢者 80%)を示す。(出典:研究者コミュニティ提供データより)

また、ニューヨーク市のゲノムデータを分析した変異株研究家 Ryan Hisner の調査では、BA.3.2に感染している患者の中で、子どもは他の変異株と比べて約 5 倍多く含まれているという結果が示されています(CNN, 2026)。南アフリカの感染症センター(CERI)所長・Tulio de Oliveira 博士は「BA.3.2 は特に 3〜15 歳の子どもを非常に効率的に感染させる。なぜそうなのかはまだ解明されていない」と述べています(CNN, 2026)。

このような現象を説明するために、専門家たちはいくつかの仮説を挙げています。第一の説は「免疫の蓄積量の差」で、子どもは成人に比べてコロナへの感染歴・ワクチン接種歴が少なく、新しい変異株への対応力が限られるという考え方です。ワシントン大学の Alex Greninger 博士はこれを「免疫の引き出しが少ない」と表現しています(CNN, 2026)。第二の説は「ゲノムの欠損」で、BA.3.2 は免疫応答を活性化する特定の遺伝子の一部が欠落しており、これが自然免疫による防御を弱める可能性があります。同様の欠損を持つ XBB 株でも子どもへの感染が多く見られたことが知られています。第三に「学校・保育園という環境」です。子どもはそもそも密集した場所で過ごす時間が長く、感染機会が多いという点も見逃せません。

重要:スペインのデータは単一地域のものであり、現時点では査読済みの論文として正式に発表されたものではありません。しかし複数国のデータが同様の傾向を示しており、専門家の間でも子どもへの感染偏重は「観察されている事実」として議論されています(NYP, 2026;NDTV, 2026)。

④ 症状・重症化リスクはどの程度か?

BA.3.2 に感染した場合の症状は、他のオミクロン系統変異株と基本的に変わらないとされています。CDC や複数の専門家が挙げる 2026 年現在の主な症状は次のとおりです:発熱・悪寒、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、咳、頭痛、倦怠感・筋肉痛、消化器症状(吐き気・下痢)、嗅覚・味覚障害(頻度は以前より低下)。これらの症状はインフルエンザや RS ウイルスとの区別が難しく、ジョンズ・ホプキンス大学の Greeta Sood 博士は「これらの呼吸器疾患の間に明確な症状的違いはない」と述べています(TODAY, 2026)。確実な診断のためには、抗原検査または PCR 検査が必要です。

重症化リスクについては、BA.3.2 は現時点で「重篤な疾患を引き起こしている」というエビデンスはありません。ACE-2 受容体への結合力が低下しているため、細胞への侵入効率がやや下がっており、これが感染拡大のスピードを抑えていると考えられています。ドイツでは BA.3.2 が一時コロナ感染全体の約 30%を占めましたが、入院者数や死亡者数の顕著な増加は見られませんでした(CDC MMWR, 2026)。南アフリカの de Oliveira 博士も「過去の感染歴やワクチン接種がある場合、入院・死亡の増加は見られていない」と述べています(CNN, 2026)。

ただし「重篤ではない=無害」ではありません。ニューヨーク・プレスビテリアン病院の小児感染症専門医 Karen Acker 博士は「子どもが入院するほどの重篤な感染は確認されていないが、過度に心配する必要はないということは、この機会にワクチン接種状況を確認する好機だということでもある」と述べています(NYP Health Matters, 2026)。子どもが 38.5℃以上の発熱が数日続く・呼吸が苦しそう・一度改善した症状が再び悪化するなどの場合は、速やかに医療機関を受診してください。

受診の目安(お子さまの場合):①38.5℃以上の発熱が 3 日以上続く ②呼吸が速い・苦しそうにしている ③水分が取れない・ぐったりしている ④症状がいったん改善した後に再び悪化する これらの場合は早めに受診をお勧めします。受診の目安(お子さまの場合):①38.5℃以上の発熱が 3 日以上続く ②呼吸が速い・苦しそうにしている ③水分が取れない・ぐったりしている ④症状がいったん改善した後に再び悪化する これらの場合は早めに受診をお勧めします。

⑤ ワクチン・治療薬は BA.3.2 に効くのか?

BA.3.2 のスパイクタンパク質には 70 か所以上の変異があるため、「ワクチンが効かないのでは?」という不安を持たれる方も多いと思います。現在の科学的知見をお伝えします。

【ワクチンについて】マウント・サイナイ病院の Florian Krammer 博士らの研究では、2024〜2025年シーズン向けに更新された KP.2 対応ワクチンの抗体が、BA.3.2 に対して有効に中和できることが示されました。研究著者らは「この結果が BA.3.2 の世界的な感染拡大が抑制されている理由を説明しているかもしれない」と述べています(medrxiv, 2025)。WHO も「現行のコロナワクチンは引き続き重症化に対する保護を提供する見込みである」としています(WHO, 2026)。2025〜2026 年シーズンの JN.1 系統対応ワクチンは、BA.3.2 に対する中和抗体価がやや低いという実験室データも一部ありますが、臨床的な重症化予防という観点では依然として一定の有効性が期待されています。

【治療薬について】ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッド®)などの既存の抗ウイルス薬は BA.3.2 にも有効とされています。これらの薬はスパイクタンパク質を標的とするのではなく、ウイルスの複製酵素(プロテアーゼ)を阻害するメカニズムのため、スパイクタンパク質の変異の影響を受けにくいとされています(TODAY, 2026)。重症化リスクの高い方(高齢者・基礎疾患のある方など)については、感染が確認され次第、早期の抗ウイルス薬投与を主治医にご相談ください。当院でも適応を判断した上で処方に対応しています。

【子どものワクチン接種について】米国小児科学会(AAP)は生後 6 か月以上のすべての子どもへのコロナワクチン接種を推奨しています。6〜23 か月の乳幼児にはシリーズ接種または単回の更新ドーズが推奨されています(NYP, 2026)。日本国内でのワクチンスケジュールについて は、かかりつけの小児科・内科医にご相談ください。当院でも接種に関するご相談をお受けしています。

接種状況の確認を:最後のコロナワクチン接種から 6〜12 か月以上経過している方、または未接種の方は、主治医・かかりつけ医にブースター接種の適否をご相談ください(TODAY, 2026)。接種状況の確認を:最後のコロナワクチン接種から 6〜12 か月以上経過している方、または未接種の方は、主治医・かかりつけ医にブースター接種の適否をご相談ください(TODAY, 2026)。

⑥ 日本での上陸と「夏の波」の見通し

BA.3.2(セミ株)は、2026 年 2 月時点で日本を含む 23 か国以上で検出が報告されています(CDC MMWR, 2026)。EMJ の報告では「米国に帰国した旅行者の中に日本からの旅行者が含まれている」ことが明記されており(EMJ, 2026)、独立したゲノム監視トラッカーba32.org も日本を「高信頼度の検出確認国」に分類しています(ba32.org, 2026)。今まさに日本国内でのゲノムサーベイランスが重要な段階を迎えています。

日本でのコロナ感染は夏に増加する傾向が、2022 年以降繰り返されてきました。屋内の冷房利用による換気の悪化、学校再開による集団感染の拡大、お盆などの人の移動が主な要因とされています。BA.3.2 が 3〜15 歳の子どもに感染しやすい特性を持つことは、学校・保育施設を起点とした家庭内への二次感染リスクを増幅させる可能性があります。「子どもが感染して家庭内で高齢の祖父母に移す」という経路は、インフルエンザでも繰り返し見られるパターンです(CNN, 2026)。

ただし、専門家の現時点での見解では、BA.3.2 は「パンデミック初期のような爆発的な大規模 波」を引き起こすタイプではないとされています。ミズーリ大学の Marc Johnson 教授は「BA.3.2が主要変異株になる可能性はあるが、これまで見てきたような大規模な感染拡大を引き起こすスタイルではない」と述べています(CNN, 2026)。ドイツで一時 30%近くを占めた BA.3.2 も、現在は減少傾向に転じています。日本でも感染者数の増加はあり得ますが、適切な感染対策と予防接種の維持が重要です。

⑦ 子どもと家族を守るために今できること

BA.3.2(セミ株)が子どもに感染しやすい特性を持つことを踏まえ、ご家庭・学校での具体的な予防策をまとめます。これらは感染症全般に対して有効であり、この変異株にも同様に効果が期待されます。

  • 【① 手洗い・手指衛生の徹底】石けんを使った 20 秒以上の手洗いは、コロナウイルスを含む多くの呼吸器感染症の予防に最も基本的かつ重要な手段です。帰宅後・食事前・トイレの後を中心に、子どもに習慣として身につけさせましょう。アルコール手指消毒薬も同様に有効です。

  • 【② 換気の確保】屋内の換気は、空気中のウイルス濃度を下げる上で非常に効果的です。夏場はエアコン使用で窓を閉め切りがちですが、定期的な換気を心がけましょう。対角線上に 2 か所以上の窓を開ける方法が効果的です。

  • 【③ 体調不良時は無理をさせない】発熱やのどの痛みなど感染症が疑われる症状がある時は、登校・登園させないことが、本人の回復のためにも集団内感染拡大防止のためにも最重要です。症状が軽くても、「念のため休ませる」という判断が家族全員を守ることにつながります。

  • 【④ ワクチン接種状況の確認】現行のコロナワクチンは BA.3.2 に対しても重症化予防効果が期待されています。お子さん・ご高齢のご家族のワクチン接種状況を確認し、未接種または接種から長期間が経過している場合は医療機関にご相談ください。

  • 【⑤ 検査の積極的な活用】BA.3.2 の症状はインフルエンザや通常の風邪との区別が難しいた め、症状がある場合は市販の抗原検査キットで確認するか、医療機関での検査を受けることをお勧めします。検査を受けることで、必要な場合に適切な治療薬へのアクセスがスムーズになります。


当院(まんかいメディカルクリニック)では、コロナウイルス感染症のご相談・検査・抗ウイルス薬の処方(適応を判断した上で)に対応しています。発熱・体調不良・ワクチン接種のご相談はお気軽にお電話ください。当院(まんかいメディカルクリニック)では、コロナウイルス感染症のご相談・検査・抗ウイルス薬の処方(適応を判断した上で)に対応しています。発熱・体調不良・ワクチン接種のご相談はお気軽にお電話ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. セミ型コロナ(BA.3.2)は、子どもが感染すると大人より重症化しやすいのでしょうか?

A 現時点では、BA.3.2 に感染した子どもが重症化しやすいというエビデンスはありません。ニューヨーク・プレスビテリアン病院の小児感染症専門医 Karen Acker 博士は「BA.3.2 は子どもに多く見られるが、入院を要するような重篤な感染は確認されていない。過度に心配する必要はないが、ワクチン接種状況を確認する良い機会だ」と述べています(NYP Health Matters, 2026)。ただし高熱が数日続く・呼吸が苦しそう・ぐったりしているなどの場合は、早めに医療機関を受診してください。

Q2. 子どもはコロナのワクチンを接種すべきですか?BA.3.2 にも効きますか?

A 米国小児科学会(AAP)は生後 6 か月以上のすべての子どもへのコロナワクチン接種を推奨しています。現行ワクチン(JN.1 系統対応)は BA.3.2 に対する中和活性がやや低いという実験室データがありますが、重症化予防という観点では引き続き一定の有効性が期待されます(WHO 声明, 2026;medrxiv, 2025)。Krammer 博士らの研究では、KP.2 対応ワクチンは BA.3.2 を有効に中和できることが示されています。接種状況の確認とともに、必要に応じてかかりつけ医にご相談ください。

Q3. BA.3.2 の症状は他のコロナや風邪と区別できますか?

A 症状だけでの区別は困難です。発熱・のどの痛み・鼻水・咳・倦怠感などの症状はインフルエンザや RS ウイルスと非常に似ており、ジョンズ・ホプキンス大学の Greeta Sood 博士は「これらの呼吸器疾患の間に明確な特徴的な違いはない」と述べています(TODAY, 2026)。正確な診断には抗原検査または PCR 検査が必要です。症状が出た際は早めに検査を受け、陽性の場合は適切な治療・療養につなげましょう。

Q4. パキロビッド(ニルマトレルビル・リトナビル)などの治療薬は BA.3.2 にも効きますか?

A はい、既存の抗ウイルス薬(ニルマトレルビル・リトナビル等)は BA.3.2 にも有効とされています。これらの薬はウイルスのスパイクタンパク質ではなくプロテアーゼ(複製酵素)を阻害するため、スパイクの変異の影響を受けにくいとされています(TODAY, 2026)。ただし使用には医師の処方が必要で、年齢・腎機能・併用薬などの確認が不可欠です。重症化リスクの高い方(高齢者・基礎疾患のある方)は感染確認後すぐに主治医にご相談ください。当院でも適応を判断の上、処方に対応しています。

Q5. 今後、日本で BA.3.2 が大きく流行する可能性はありますか?夏に向けて心配です。

A 現在の専門家の見解では、BA.3.2 は「パンデミック初期のような爆発的な大規模波」を引き起こすタイプではないとされています。ミズーリ大学の Johnson 教授は「BA.3.2 が主要変異株になる可能性はあるが、強力な感染拡大を引き起こすスタイルではない」と述べています(CNN, 2026)。ただし日本の夏は換気不足や学校での集団感染が起きやすく、また今回の株が子どもに感染しやすい性質を持つことから、夏休み前後の注意は必要です。基本的な感染対策(手洗い・換気・体調不良時の自宅療養)とワクチン接種状況の確認が最善の備えです。A 現在の専門家の見解では、BA.3.2 は「パンデミック初期のような爆発的な大規模波」を引き起こすタイプではないとされています。ミズーリ大学の Johnson 教授は「BA.3.2 が主要変異株になる可能性はあるが、強力な感染拡大を引き起こすスタイルではない」と述べています(CNN, 2026)。ただし日本の夏は換気不足や学校での集団感染が起きやすく、また今回の株が子どもに感染しやすい性質を持つことから、夏休み前後の注意は必要です。基本的な感染対策(手洗い・換気・体調不良時の自宅療養)とワクチン接種状況の確認が最善の備えです。

まとめ

BA.3.2(セミ株)は、長期の慢性感染を経て再浮上したオミクロン系統の変異株で、スパイクタンパク質に 70 か所以上の変異を持ちます。最大の特徴は、これまでのコロナと異なり「3〜15 歳の子どもに感染しやすい」点です。スペイン・アストゥリアス州のデータでは BA.3*感染者の 83%が 18 歳以下であり、NYC データでは子どもへの感染率が他変異株の約 5 倍と報告されています。しかし現時点で重症化率の上昇は見られておらず、既存のワクチン・抗ウイルス薬も一定の効果を維持しています。日本でも上陸が確認された今、基本的な感染対策と早めのワクチン接種状況確認が重要です。

出典

  1. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Early Detection and Surveillance of the SARS-CoV-2 Variant BA.3.2 — Worldwide, November 2024–February 2026. MMWR 2026; 75(10). https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/75/wr/mm7510a1.htm
  2. Goodman B. Kids may be more likely to get the new ‘Cicada’ variant of Covid-19. CNN Health, April 2, 2026. https://edition.cnn.com/2026/04/02/health/new-covid-variant-cicada
  3. Acker K, Morrill J. What to Know About the New COVID Variant BA 3.2 (Cicada). NYP Health Matters, April 2026. https://www.nyp.org/healthmatters/what-to-know-about-the-new-covid-variant-ba-32-cicada
  4. NDTV Health. Cicada Covid Variant BA.3.2: Why Children Are 5 Times More Likely To Get Infected. 2026. https://www.ndtv.com/health/cicada-covid-variant-ba-3-2-why-children-are-5-times-more-likely-to-get-infected-and-tips-to-safeguard-them-11316688
  5. ABC7/KABC. New COVID variant ‘Cicada’ spreading among children. April 2, 2026. https://abc7.com/post/new-covid-variant-cicada-spreading-among-kids/18829742/
  6. TODAY/NBC News. A New, Highly Mutated COVID Variant Called ‘Cicada’ Is Spreading in the U.S. Updated April 13, 2026. https://www.today.com/health/coronavirus/new-covid-variant-ba32-cicada-symptoms-2026-rcna265088
  7. European Medical Journal (EMJ). ‘New Lineage’ of COVID-19 Reported in 23 Countries. March 2026. https://www.emjreviews.com/general-healthcare/news/new-lineage-of-covid-19-reported-in-23-countries/
  8. Krammer F, et al. Neutralization of emerging SARS-CoV-2 variants by updated COVID-19 vaccines. medRxiv preprint, 2025. https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2025.08.24.25333689v2
  9. World Health Organization (WHO). Tracking SARS-CoV-2 variants: BA.3.2 Initial Risk Evaluation. December 2025. https://cdn.who.int/media/docs/default-source/documents/epp/tracking-sars-cov-2/05122025_ba.3.2_ire.pdf
  10. ba32.org. BA.3.2 / Cicada COVID Variant Tracker. Updated April 2026. https://ba32.org/
  11. Daily Mail. Vaccinate pre-school children against Covid to stop pandemic ‘Cicada’ variant. April 2026. https://www.dailymail.co.uk/health/article-15701593/Vaccinate-pre-school-children-against-Covid-stop-pandemic-Cicada-variant.html

※ 本記事は 2026 年 4 月時点の医学情報に基づいて作成されています。情報は随時更新されます。診断・治療については必ず医療機関にご相談ください。

記事監修者田場 隆介

医療法人社団 青山会 まんかいメディカルクリニック 理事長

医療法人社団青山会代表。兵庫県三田市生まれ、三田小学校、三田学園中学校・同高等学校卒業。 1997(平成9)年岩手医科大学医学部卒業、町医者。聖路加国際病院、淀川キリスト教病院、日本赤十字社医療センター、神戸市立医療センター中央市民病院を経て、2009(平成21)年医療法人社団青山会を継承。 2025年問題の主な舞台である地方の小都市で、少子高齢化時代の主役である子どもと高齢者のケアに取り組んでいる。

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